卒業生からのメッセージ

Hさん 平成19年 学部卒業(現)特許庁

 私は、①化学を勉強できて資格がとれる②北海道に住んでみたい、という単純な理由で、北大薬学部を選びました。
 大学時代を通して、生活面では、広大で自然豊かな北海道で、サークル活動や、同期の仲間や先輩とのスキーや道内旅行、麻雀、ジンギスカンパーティー等、日々楽しい生活を送ることができました。夏は涼しく緑が溢れていて、のんびりしている札幌に、4年半も住んでしまったせいで、職場が札幌に移転したらいいのに・・・と、今でも思ってしまうほどです。
 学業の面では、北大薬学部で、薬に関することはもちろん、薬理作用等を理解する上で重要な物理・化学・生物の基礎的な知識を学びました。また、北大薬学部の先生方は、ただ教えるだけではなく、学生が自分自身でしっかりと考えるように、厳しくも優しく指導して下さいました。
 現在、私は特許庁にて特許の審査を行っております。「薬学部」で「特許庁」というのは、いま一つピンとこないかもしれません。実際、私が進路として特許庁を考えたのも卒業直前でした。薬学部といえば、「薬」に直結する薬剤師や製薬会社で将来働くことを想像する方が多いのではないでしょうか。しかしながら、食品や化粧品関係の会社、あるいは公務員として働く人も少なくありません。特許庁に関していえば、医薬関連の特許審査をしている部署はあるものの、私の場合、医薬とは全く異なる分野に配属され、当然知らない事だらけではありますが、上記のような基礎的な知識、及び自分自身でしっかり考える思考力が生きており四苦八苦しながらも、日々充実して仕事を進めることができています。
 以上のように、北大薬学部は、「薬」とは関連性が薄くても十分に働いていける総合的な知識・思考力を養うことができる、将来の選択肢の幅が広い場所であり、「薬」に興味のある方はもちろん、漠然と化学や生物等の理系分野に興味のある方も、進路として一考の余地ありです。ただし、当たり前のことですが、自分の将来は、どの大学に入るかではなく、あくまで自分自身によって決まるものであることだけは忘れないで下さい。

Close