卒業生からのメッセージ

Aさん 平成22年 修士過程修了(現)独立行政法人 医薬品医療機器総合機構

 私は修士課程を修了後、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に入社し、3か月が過ぎようとしています。札幌の夏のさわやかさも冬の厳しい寒さも大好きで、離れて数か月にもかかわらず、札幌で過ごした大事な6年間を懐かしく思い出すこの頃です。
 さて、私の勤めているPMDAは、医薬品/医療機器の承認審査、安全対策、健康被害救済を行う、日本で唯一の組織です(http://www.pmda.go.jp/)。海外で承認された医薬品/医療機器が日本でまだ承認されていない、という状況(ドラッグ・ラグ/デバイス・ラグ)をニュースでご存知の方もいるかもしれませんね。これらの状況を改善することもPMDAの課題の一つです。
 私の所属する医療機器審査部は、コンタクトレンズやペースメーカー、大型医療機器など多岐にわたる品目を扱っています。私の担当分野では血管内治療に使われるものが多く、たとえば最近では、薬を塗布したステント(血管を拡げる金網のようなもの)などがあり、薬の知識も要求されます。北大薬学部で学んだ薬の知識やものの科学的な見方が仕事にとても役立っています。慎重かつ迅速な判断が要求され、責任は重大、という点で、仕事は厳しいのですが、PMDAでしかできない審査の仕事にはとてもやりがいを感じています。
 PMDAには全国の大学院卒生の他、臨床医や獣医、製薬会社や研究機関の研究者、工学系などの専門家が(私も新卒ながら薬剤師という専門家として)、それぞれの専門や経験を活かしながら業務を行っています。北大薬学部の出身者も毎年入社していて、審査、安全性などの各分野で活躍しています。また職場は女性の割合が大きく、私の所属部署の部長をはじめ既婚女性も多く活躍しています。女性も働きやすい職場といえるかもしれません。
 薬学部卒業後の進路は、薬学科/薬科学科に関わらずに広いと考えています。というのも、薬学部で学んだことは、「薬」の付く職種や業種以外の仕事にも十分に活かすことができるからです。
 それから、学生時代6年間を共に過ごした薬学部の友人達はもちろん、仕事に関連する医学や法学をはじめ、総合大学らしく文理を問わず幅広い人間関係を構築できたことは、今の私の一番の財産です。
 皆さんも、ぜひ充実した楽しい学生生活を!

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