卒業生からのメッセージ

Sさん 平成27年 修士過程修了(現)田辺三菱製薬株式会社

「薬創りに携わりたい!貢献したい!」
そんな方は、北海道大学薬学部・北海道大学大学院生命科学院で薬学の勉強・研究をしてみてはいかがでしょうか?
 私は学生時代、薬理学研究室に所属し、薬理学の勉強をさせていただきました。現在は、製薬企業で「薬創り」に向けた薬理学研究に携わっています。私も最初に書いた「薬創りに携わりたい!貢献したい!」という想いを持っていましたので、「薬創り」に向けた仕事ができるということで、わくわくしながら毎日仕事をしております。
 “薬理学”という言葉が何度かでてきましたが、薬理学とは、病気になった際に起こる体内の変化(生体内の分子やタンパク質の量や活動性などの変化)を調べること、また、その変化を是正することにより病気の薬物治療を目指せないか?と検証する学問領域です。一般的に製薬企業での「薬創り」を目指した薬理学研究では、企業によって多少の違いはあるとは思いますが、以下の3つが主な仕事かと思います。
①【創薬ターゲット探索】ある病気の症状を改善するために、薬物の作用ターゲットとしてどのような分子・タンパク質が良いのかを実験や文献調査により検討すること
②【化合物評価】そのターゲットに作用することが考えられるたくさんの化合物を実験により評価し、病気を治す可能性のある化合物を見つけ出すこと
③【作用メカニズム探索】見つけ出した化合物がどのようにターゲットに作用し、その後どのように病気の症状改善につながるのかを調べること。
 これらの仕事には薬理学的実験技術や知識が必要であり、学生時代に薬理学研究室で得た薬理学的実験の基礎技術や薬理学研究の基礎知識がとても役に立っています。
 また創薬研究では、化合物をどのように合成するか?化合物が体内でどのように吸収されるのか?どのくらいの量が体内に入るのか?化合物をヒトに投与しても安全なのか?薬の剤形はどれが良いのか?などなど、薬理学以外の学問領域にも触れなくてはいけません。そんな時、薬学部で修行を積んだ経験が役に立っています。薬学部では、薬理学、有機化学、薬物動態学、薬剤学・・・など「薬創り」に関わる様々な学問領域を勉強できたからです。
 「薬創り」はどんどん難しくなっていると言われています。思い通りにいかず苦しむこともあると思います。しかし、難しいことを乗り越えた時の喜びはこの上ないですよね。私はこの経験を学生時代に何度も経験しました。この経験が、難しい「薬創り」研究をやる上でとても活かされていると思います。
  「薬創りに携わりたい!貢献したい!」。そんな想いを持っている方、苦しいこともあると思いますが、その想いを成し遂げる第一歩を踏み出すためにも、緑溢れる北海道大学のキャンパスで薬学の勉強に励んでみてはいかがでしょうか?

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