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非リボソームペプチドの環化機構を解明 ~ペプチド環化生体触媒の開発に期待~

2020.05.08プレスリリース

北海道大学大学院薬学研究院の松田研一助教,脇本敏幸教授及び東京大学大学院薬学系研究科の森貴裕助教,阿部郁朗教授らの共同研究グループは,放線菌から発見した新規ペプチド環化酵素 SurE の触媒機構の解明に成功しました。ペニシリン結合タンパク質(PBP-type TE)に分類される SurE は,直鎖状のペプチド鎖の両端を認識し,N 末端と C 末端のアミノ酸残基間でアミド結合を形成して環状ペプチドを効率的に合成することがわかりました。

SurE は,C 末端残基に D-アミノ酸,N 末端残基に L-アミノ酸を有する基質を選択的に受け入れ,中央部のアミノ酸残基に対しては寛容な選択性を示します。この知見は X 線結晶構造解析によって得られた SurE の構造情報からも支持されました。さらに D-アミノ酸と L-アミノ酸との間のヘテロキラルな環化反応は,自然界のほぼ全ての環状非リボソームペプチドにおいても共通の機構であることがわかりました。さらに,本研究では SurE の寛容な基質特異性と放線菌細胞内で改変した非リボソームペプチド合成酵素を組み合わせることで,非天然型環状ペプチドの合成にも成功しました。PBP-type TE ファミリー酵素の機能をさらに開拓し,生体触媒や合成生物学的手法へ展開することによって,環状ペプチドの新しい供給法の確立につながることが期待されます。

 

なお、本研究は,文部科学省科学研究費補助金新学術領域研究「生合成リデザイン」,基盤 B,若手研究及び国立研究開発法人日本医療研究開発機構 (AMED)「革新的中分子創薬技術の開発」,旭硝子財団,内藤記念科学振興財団,上原記念生命科学財団の支援を受けて行われました。

 

本研究成果は,2020年5月5日(火)公開の Nature Catalysis 誌に掲載されました。

 

詳細はこちら

https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/200507_pr.pdf

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