北海道大学大学院 薬学研究院 創薬科学研究教育センター 有機合成医薬学部門

はじめに

我々の研究室では、アカデミア発創薬に貢献すべく、①医薬品開発に有望な活性と複雑な構造を持つ天然物や、核酸やペプチドなどの生体高分子を研究対象として、有機合成化学を基盤とした実用的かつ高効率的な化学合成、そのための方法論と合成戦略の開発、②糖鎖誘導体およびヘテロ環誘導体の効率的な合成法の開発と多次元的最適化によりリード化合物を臨床試験候補化合物へと導く創薬研究を行っています。

アカデミアに求められる創薬研究のハードルは年々高まっており、化合物の供給ばかりでなく、ある程度の活性や選択性・毒性データ、作用機序の解明等が求められる時代になっています。このハードルを乗り越えるためには、問題点を良く理解し、それを克服した化合物を設計でき、それをしっかり作ることが必要です。高次活性評価やプローブ分子を用いた作用機序の解明も行い、天然物や生体高分子の機能を凌駕する創薬リードの創製と創薬理論の開発を目指して行きます。また、北大内外の組織、機関、民間企業等との連携を進めることで難病に立ち向かう北の創薬拠点形成という大きな目標に向かって努力しています。