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【芳香SCIENCE】なぜ、新型コロナウイルス感染症はこんなに長く続くのか?/黒田誠(52期 2009年卒)

2023.02.21

 2019年12月27日に中国湖北省武漢市で原因不明の肺炎患者3人が報告された。患者からは未知のベータコロナウイルスが発見され、2019-nCoV(2019 novel coronavirus)と名付けられた。

 武漢市で最初に報告されたSARS-CoV-2はその後、欧州や米国を中心とする主要都市に広がり、2020年3月11日に世界保健機構(WHO)はパンデミック(世界的大流行)を宣言した。

 それから3年が経つ。現在でもまだ、多くの感染者、被害者、そして犠牲者を出している。日本でも諸外国同様、感染者数を最小限に抑えることに重点を置いた対策と政策が採られてきた。しかし、報告される超過死亡数(例年の死亡者数から予測される死亡者数を上回った死亡者の数)はコロナ死亡者数を遥かに超える。

 その一方で、感染のピークは過ぎ、ワクチン接種とマスク着用に象徴されるコロナ対策は成功を収めつつあるとの報道も耳にする。もはやパンデミック期は終わり、エンデミック期(一部の地域での感染流行)に入ったと囁かれる一方、WHOによるパンデミックの終息宣言はまだ出されていない(2022年12月現在)。

 今回、私が薬学部の卒業生であること、そして現在、SARS-CoV-2の研究に携わっているということから、あるお二方の先生よりご縁を頂き、この寄稿させていただく運びとなった。題目にある「なぜ、新型コロナウイルス感染症はこんなに長く続くのか?」は、多くの人が共通に抱いている疑問であると思われる。私自身にとっても改めてウイルスについて考える貴重な機会となった。このコロナ禍をもたらした新型コロナウイルスについての見方は、各人の周囲の環境、置かれている状況、日々接する情報によって様々であると思われる。そして、今後公開される情報や科学論文によって、私の見方を含むそうした見方のうちの幾つかはまた変わりうる。

 「なぜ、新型コロナウイルス感染症はこんなに長く続くのか?」について私なりに考えたことを、様々ある見方の一つとしてここに書いてみたい。考えつくことは4つ、(1) 治療薬がない、(2) 変異株が次々と出現してくる、(3) 再感染するが止まらない、(4) ウイルスがどこから来たのかわかっていない、である。関心があるところにお目を通して頂けるだけでも幸いである。(一部抜粋)

全文は同窓会HPの「芳香SCIENCE」から閲覧できます。

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