北海道大学薬学部・大学院薬学研究科では病院薬剤部の研究室に在籍し、修士課程を修了後はそのまま北大病院薬剤部の薬剤師として入職した。その後、実務家教員として薬学研究科に籍を移し、薬剤師養成・実務教育に携わり、4年前にまた北大病院薬剤部に副部長として出戻って今に至っている。入職してから四半世紀あまり病院薬剤師や薬剤師養成に携わってきて、薬剤師の役割が大きく様変わりしているのを目の当たりにしてきた。北大薬学部の出身者、特に先輩方の多くは研究職等、薬剤師職以外の道に進んでいらっしゃるので、現在の薬剤師が何をしているのかご存知ない方も多いことと思う。そこでここでは薬剤師業務の変遷について北大病院の事例をもとに私の視点で紹介したいと思う。
今回改めて入職してからの薬剤師業務の変遷を振り返ってみると、直接現場にいた自分でも隔世の感を禁じ得ない。普段、病院薬剤師と関わることの少ない方に現在の薬剤師の職能がどれだけ広がったか、その現状が少しでも伝わってくれれば幸いである。(一部抜粋)