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【研究最前線】痛みによる不快情動生成の神経機構 ~ 痛いのはなぜ嫌なのか ~/南雅文(北海道大学薬学研究院 薬理学研究室 教授)

2023.12.05

国際疼痛学会による痛みの定義が2020年に改訂され、その日本語訳は、「組織損傷が実際に起こった時あるいは起こりそうな時に付随する不快な感覚および情動体験、あるいはそれに似た不快な感覚および情動体験」となっている。すなわち、「痛み」は、単なる感覚ではなく、常に情動、しかも「不快な」情動が伴っているということである。痛みにより惹起される嫌悪、不安、恐怖、抑うつなどの不快な情動は、身体の危機を知らせる生体警告系としての痛みの生理的役割に重要であるが、痛みが慢性化すると、生体警告システムの役割から逸脱し、Q O Lを著しく低下させるだけでなく、うつ病や不安障害などの精神疾患・情動障害の引き金ともなる。
北海道大学に着任し、新しい研究室を立ち上げた際に、「まずは、生体警告系としての生理的役割である痛みによる不快情動生成の神経機構を明らかにし、その上で、痛みが慢性化した場合にその神経機構がどのように変容するのかを調べよう」と考えた。(一部抜粋)

全文は同窓会HPの「芳香SCIENCE」から閲覧できます。

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