2023年10月3日、カタリン・カリコ博士とドリュー・ワイズマン教授にノーベル生理学・医学賞が授与された。カリコ博士が女性研究者・外国人研究者としての苦難を超えてmRNAワクチンの実用化への道を拓いた話は感動的で、我々研究者にエネルギーを与えてくれる。彼女の「子どもはあなたをみて、見習います。あなたが子どもの模範になることが重要なのです」という言葉は、女性だけでなく、すべての人の心を打った。
21世紀に入り、医薬・創薬の分野ではパラダイムシフトが続いている。最初のパラダイムシフトは低分子医薬品から高分子医薬・抗体医薬の登場であった。このような劇的な変化に素早く対応するのが不得手な日本人は抗体医薬に出遅れたが、2014年のオプジーボの登場で一矢報いた感はある。(一部抜粋)