安全に児が産まれるために、自然分娩開始前に分娩誘発を行う場合がある。分娩に至るには、子宮収縮促進の前に出口となる子宮口が開くように子宮頸管が柔らかくなる(頸管熟化)必要がある。海外ガイドラインでは、プロスタグランジン(PG) の経腟投与が子宮頸管熟化促進の標準的な方法となっているが、日本にはこれまで経口剤と静注剤しか存在しなかった。PGの消失半減期は短いことから、分娩に至るまでに頻回の投与が必要であり、全身投与は各所に分布するPG受容体に作用し副作用発現が懸念される。子宮頸管熟化促進には器械的な子宮頸管熟化処置もとられるが、挿入に痛みを伴うこと、臍帯脱出や感染症のリスクがあることなどのデメリットがある。
プロウペスは有効成分のジノプロストン(プロスタグランジンE2:PGE2)を含有する親水性ポリマーと、これを包含する取り出し用紐で構成される製剤である。
PGE2膣用剤は1995年に米国で承認されて以降、世界的に使用されていたが、日本では2020年4月に発売となった。近年その使用状況の報告がなされてきている(一部抜粋)。
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