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【芳香SCIENCE】文系転向からのデータサイエンスへのアカデミックジャーニーとオンラインでの社会人博士課程教育/児玉耕太(星薬科大学・教授)

2025.05.07

薬学以外では理系・文系問わずデータサイエンス教育がもてはやされている昨今、薬学教育モデル・コア・カリキュラムでもようやく統計学を始めとするデータサイエンス教育が正式に盛り込まれて、星薬科大学でも私の主宰する医療データサイエンス研究室が2024年6月1日より開設された。

私は有機化学で博士号を取ったにも関わらず、星薬科大学へ着任する前の十数年は、北海道大学での6年間を含めて経営学などの文系を含めた様々な分野で教育研究を行ってきた。その経験の中で、Dry(データサイエンスを始めとするコンピュータサイエンス)ですべてが解決できる風潮を感じたのだが、特に医療分野ではあくまでWet(実験や臨床などの実体験)が必須であり、医療分野のデータサイエンスではWetとDryの両方の教育を行わなければならないと実感している。
昨今、理系の医療データサイエンスを謳いながら、其の実、中身は医療経済学で、Wetを全く理解しないまま医療データサイエンスの専門性を与えている現状を非常に危惧している。その危機感と現実社会のニーズとの兼ね合いを考慮して、当研究室ではWetは教員が、Dryは製薬企業などの社会人博士課程が担当する役割分担で、モバイルヘルス研究を進めている。
特に医療分野で働く社会人は、博士号を業務で活用するにも関わらず、今まではWetな環境がないため、博士号を取得できない方が多かった。しかしながら、データサイエンス領域であれば、ZoomやSlackなどのICTツールを活用してほぼオンラインでの博士号取得が可能となってきており、今まで8年間で9名の博士号取得者を生み出して来た。

ここでは、私のアカデミックキャリアや当研究室で行っている研究の紹介を通して、当研究室での医療データサイエンス領域におけるWetとDryの融合とオンラインでの社会人博士課程教育について紹介する。(一部抜粋)

全文は同窓会HPの「芳香SCIENCE」から閲覧できます。