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【芳香SCIENCE】浜辺のプラスチックペレット拾いから始まった日本発祥の研究/鈴木 聡(愛媛大学名誉教授・1985年博士課程修了)

2025.09.16

「マイクロプラスチック」や「海洋プラスチック」は、今や世界中で誰もが知っている環境汚染物質である。様々なプラスチック製品が環境へ放出されると、最終的には海洋に行き着く。環境中ではプラスチックは紫外線で劣化し、物理化学的に細粉されて微細化する。直径5 mm以下になったものをマイクロプラスチックと呼び、これは食物連鎖や様々なルートを通してヒトを含むほとんどの生き物の体内に入り込んでいる。1960年代から海洋生物の体内にプラスチックが見つかることは知られていたので、海洋プラスチック汚染は最近起こり始めた問題ではないことは自明である。しかし、この問題に科学の光が当てられたのは比較的最近になってからである。

プラスチック自体は消化されずに体外へ排出されると思われがちだが、そう簡単な問題ではない。プラスチックそのもの、およびプラスチックに含有されたり付着している物質によって健康被害が起こるのである。
科学的にも社会的にも大きなテーマ(問題)になっているプラスチック汚染だが、最初に環境プラスチックに目をつけたのは日本の研究者である。本稿では、その研究が始まる頃のエピソードを述べ、研究のオリジナリティとはなにか、についても触れてみたい。(一部抜粋)

全文は同窓会HPの「芳香SCIENCE」から閲覧できます。