
振り返ってみると、ジェネリック医薬品を中心とした医薬品不足問題とその議論の経緯は、時期ごとに重なり合う部分はあるものの、概ね以下の5つの段階に分けて整理することができると考えられる。
i. ジェネリック医薬品使用促進と売り逃げ問題の時代(1990年代~)
ii. ジェネリック医薬品使用促進のためのロードマップの時代(2013年~)
iii. サプライチェーン問題と医薬品安全保障の時代(2018年~)
iv. 企業ガバナンスの機能不全と製造・品質問題の時代(時期不詳~2024年)
v. 構造的医薬品不足の時代(時期不詳~)
各時代において表面化した不足問題は、現在の医薬品不足の原因とも密接に関係している。とりわけ「売り逃げ」の問題は、現在に至るまでGEを中心とした供給不安の中核に位置づけられると考えられる。
しかしながら、特に厚生労働省の担当部局においては、こうした過去の議論の経緯が十分に踏まえられないまま、2021年以降、しばしば的を外した政策対応が講じられてきたように見受けられる。こうした政策判断の問題点を理解するためには、医薬品不足をめぐる過去の議論の積み重ねを改めて整理し直すことが不可欠である。そこで以下では、それぞれの時代ごとに、不足問題の背景と議論の内容を振り返っていくこととしたい。(一部抜粋)