お知らせ

55期生 今井俊吾先生の研究が紹介されました。

2021-08-27

55期生の北海道大学薬学研究院 助教 今井俊吾先生の研究が北海道大学のプレスリリースで紹介されました。

「ダプトマイシンによる骨格筋障害のハイリスク患者を同定~ビッグデータと機械学習法を組み合わせた解析アプローチの有用性が示唆~」

ポイント
●ビッグデータと機械学習法の活用により,ダプトマイシンによる骨格筋障害のハイリスク患者を同定。
●脂溶性スタチンの併用がダプトマイシンによる骨格筋障害のリスク因子であると示唆。
●ハイリスク患者を事前に同定することにより,安全な抗菌化学療法の提供に繋がることに期待。

概要

北海道大学大学院薬学研究院の今井俊吾助教,菅原 満教授,同病院薬剤部の武隈 洋准教授らの研究グループは,ビッグデータと機械学習法を組み合わせることにより,「脂溶性スタチン併用」と「投与開始時のクレアチンホスホキナーゼ高値」の両方の因子を持つ症例が,ダプトマイシンによる骨格筋障害のハイリスク群であることを解明しました。

ダプトマイシンはMRSA(methicillin-resistant Staphylococcus aureus)感染症などに用いられる抗菌薬の一つですが,骨格筋障害の副作用を起こすことが臨床上問題となっています。しかし,そのリスク因子は十分にわかっておらず,大きな課題となっています。

本研究では「約2,000万人の診療情報を有するビッグデータ」と「機械学習の代表的な手法の一つであるDecision Tree model」を組み合わせることで,ダプトマイシンの骨格筋障害の新しいリスク因子を同定しました。具体的には,スタチンの中でも,脂溶性スタチンを併用している患者は副作用リスクが上昇し,水溶性スタチンではリスクが上昇しないことが示唆されました。さらに,「脂溶性スタチン併用」と「投与開始時のクレアチンホスホキナーゼ高値」の両方の因子を持つ症例が,骨格筋障害発現リスクが極めて高い可能性が示されました。

本研究の知見を薬剤選択や副作用モニタリングに適用することにより,安全な抗菌化学療法の提供に繋がることが期待されます。さらに,本研究で用いたビッグデータと機械学習法を組み合わせた解析アプローチは,副作用発現要因分析の新しい手法として広く応用可能と考えられます。

なお,本研究成果は,2021年8月26日(木)公開のBritish Journal of Clinical Pharmacology誌にオンライン掲載されました。

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