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【芳香SCIENCE:研究最前線】光免疫療法について/小川美香子(生体分析化学研究室・教授)

2022.01.05

私は、2015年に生体分析化学研究室に着任し、放射線、光を使った生体イメージング研究を行っております。本稿では、生体イメージング研究の過程で生まれ、また現在、北海道大学のスタッフ・学生とともに治療メカニズム解明と新薬開発に取り組んでいる、がん治療法「光免疫療法」について紹介させていただきます。

1.光免疫療法の発見
私は、2007年から2009年までポスドクとして米国国立衛生研究所(National Institute of Health; NIH)の小林久隆先生のもとに留学し、がんの光イメージング研究に取り組んでいた。ある日、作ったイメージング剤をがん細胞に作用させ、蛍光イメージングのため光を照射し顕微鏡で観察していると、がん細胞がみるみるうちに死んでいった。光を当てる前は問題がないのに、イメージングのために光を当てると何度やっても死んでしまう。これは使えないと思った。そこで小林先生に、こんなにがん細胞を簡単に殺してしまう薬は使えませんと報告した。冷静に考えると、可笑しな報告である。それを聞いた小林先生は、これはがん治療 に使えるとおっしゃった。私はがん細胞をイメージングすることしか考えていなかった。視野が狭すぎて、がん細胞を殺し残念がってしまったのである。これが、光免疫療法(Photoimmuno therapy, PIT)開発の始まりである。(一部抜粋)
2.PITによる細胞死の特徴
3.細胞膜傷害のメカニズム
4.新しい薬剤の開発へ
5.おわりに

全文は同窓会HPの「芳香SCIENCE」から閲覧できます。

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