HIVの治療は基本的に生涯にわたるため、薬物の長期毒性が問題となる。近年、未治療のHIV患者に対してINSTIのドルテグラビル(DTG)にNRTIのラミブジン(3TC)を組み合わせた2剤治療と従来の3剤治療であるDTG+テノホビルジソプロキシルフマル酸+エムトリシタビンの抗ウイルス効果を比較したGEMINI試験、テノホビルベースの3剤治療からDTG+3TCに切り替え後に抗ウイルス効果が維持できるかを評価したTANGO試験の結果が報告され、いずれもDTG+3TCの抗ウイルス効果は3剤治療に劣らない結果が示されている。
DTGは抗ウイルス効果が強力なため、単剤でもウイルス抑制は得られるが、一部で薬剤耐性が誘導されている。in vitroの研究では、DTGに3TCを組み合わせることで薬剤耐性株が出現しにくいとの報告もあり、この耐性を獲得しにくい特性がDTG+3TCの2剤でウイルス抑制を維持できる理由の一つと考えられる。
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