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【話題の薬】抗HIV薬の2剤治療:ドウベイト配合錠®/田澤佑基 (2014年博士課程修了・北海道大学病院 薬剤部)

2022.11.22

HIVの治療は基本的に生涯にわたるため、薬物の長期毒性が問題となる。近年、未治療のHIV患者に対してINSTIのドルテグラビル(DTG)にNRTIのラミブジン(3TC)を組み合わせた2剤治療と従来の3剤治療であるDTG+テノホビルジソプロキシルフマル酸+エムトリシタビンの抗ウイルス効果を比較したGEMINI試験、テノホビルベースの3剤治療からDTG+3TCに切り替え後に抗ウイルス効果が維持できるかを評価したTANGO試験の結果が報告され、いずれもDTG+3TCの抗ウイルス効果は3剤治療に劣らない結果が示されている。

 DTGは抗ウイルス効果が強力なため、単剤でもウイルス抑制は得られるが、一部で薬剤耐性が誘導されている。in vitroの研究では、DTGに3TCを組み合わせることで薬剤耐性株が出現しにくいとの報告もあり、この耐性を獲得しにくい特性がDTG+3TCの2剤でウイルス抑制を維持できる理由の一つと考えられる。

 これらのエビデンスから日本ではDTG+3TC製剤のドウベイト配合錠®が2020年1月に承認され、薬剤数の減少による副作用面や医療経済面のメリットが期待されている。(一部抜粋)

全文は同窓会HPの「芳香SCIENCE」から閲覧できます。

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