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2016.04.19プレスリリース
がんや免疫応答に重要な役割を担うサイトカインIL-6 の信号分子として知られるSTAT3 は,炎症性免疫疾患やがん増悪化に関与するとともに自身もがん化を誘導する作用を有し,多くのがん種でSTAT3 の異常な活性化が報告されています。
今回,松田教授らの研究グループはSTAT3 の新たな結合蛋白として,低分子量G 蛋白ARF ファミリーの一つARL3 を同定しました。ARL3 の遺伝子発現を低下させた細胞では,STAT3 による遺伝子発現誘導作用に必要なリン酸化修飾や核への蓄積が低下しており,STAT3 依存的な遺伝子発現や細胞増殖が減弱されることもわかりました。STAT3-ARL3 相互作用を標的とする新たながん・自己免疫疾患治療薬の開発が期待できます。
本研究は,生物学分野で権威ある雑誌「The Journal of Biological Chemistry」のPapers in pressで 2016 年4 月5 日(火)に公表されました。