「腫瘍ホーミングペプチドによる新しい制がん医療技術展開の研究」
【日時】 2013年3月26日 14:00~
【場所】 薬学部 第三講義室
【講師】 愛知県がんセンター研究所 腫瘍病理学部 部長 近藤 英作先生
”ペプチド“は、近年がん患者に対するワクチン療法にも使用されているように、
副作用が少なく 「ひとのからだにやさしい」バイオツールとして医学の多様な領域で関心を集めていますが、
実際の医療への応用技術開発はあまり進んでいないのが現状です。
数個のアミノ酸より成る”細胞膜透過性ペプチド”(Cell-penetrating peptide;CPP)は、
非侵襲性に生理的機構を介して細胞内に透過する機能を持つアミノ酸の特異的連続配列です。
このCPPを利用した細胞内遺伝子制御の手法は
従来にない新たな技術的可能性を有するものとして近年注目されています。
CPP配列を一部に融合した機能的タンパク分子やペプチドは、
細胞内に透過したのち特異的機能を発揮することによってがん細胞の増殖を抑制したり、
細胞殺傷を誘導することに応用でき、
また、画像診断用標識物質の結合により
新たな生体における目的組織のイメージング用プローブとしての応用も考えられます。
本講演ではこれらの視点を見据えるわれわれの現在のCPP技術研究の一端を紹介したいと思います。
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