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T細胞による新たな免疫活性化メカニズムを解明~自己免疫疾患の新たな治療薬 開発への応用に期待~(薬学研究院 教授 松田 正)

2022.06.22プレスリリース

ポイント

 

●免疫応答を担うT細胞でのSTAP-2と呼ばれるタンパク質の新たな役割を発見。
●STAP-2欠損ではT細胞活性化と自己免疫疾患の増悪化が抑制。
●新たな自己免疫疾患の新規治療薬開発に期待。

 

概要

 

北海道大学大学院薬学研究院の松田 正教授らの研究グループは、アダプター分子であるSTAP-2が、免疫応答活性化と、それに伴う自己免疫疾患発症に関与する新たな機能をもつことを見出しました。
 
病原体が体内に侵入した場合、免疫担当細胞が担う生体防御反応により排除されます。特にT細胞はこの反応を制御する重要な免疫担当細胞で、その細胞表面にあるT細胞受容体(TCR、T cell receptor)で病原体など異物を認識し、T細胞活性化を誘導します。そうしたT細胞活性化により病原体排除が促進され、感染が終息します。一方で、T細胞活性化の異常は自己免疫疾患の発症や増悪化の原因となります。そのため、TCRを介するT細胞内信号伝達機構の解明は免疫疾患制御においても非常に重要です。
 
細胞内信号伝達において、リン酸化酵素を始めとする酵素群や転写因子の活性化を制御するアダプター分子の一つであるSignal-transducing adaptor protein-2(STAP-2)は、TCRを構成するタンパク質と直接結合してその働きを強めることにより、T細胞活性化を促進しました。また、STAP-2の発現量により自己免疫疾患の増悪化が左右されたことがわかりました。そのため、STAP-2の発現量や働きを制御することにより、自己免疫疾患の新しい薬の開発が期待できます。
 
なお、本研究成果は、6月21日(火)公開のThe Journal of ImmunologyのNext in the JIにオンライン掲載されました。
 
論文名:STAP-2 is a novel positive regulator of TCR-proximal signals(STAP-2はTCR信号伝達を正に制御する新規分子である)
URL:https://www.jimmunol.org/content/early/2022/06/19/jimmunol.2101014
 
詳細はこちら

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本研究による新たな自己免疫疾患治療戦略

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