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新たなコバルト触媒で水しか出さずに有用分子を合成できる技術の開発~医薬品合成における環境負荷の低減と低コスト化に期待~

2015.07.07プレスリリース

 JST 戦略的創造研究推進事業の一環として、北海道大学大学院薬学研究院の松永茂樹教授、星薬科大学薬学部の坂田健准教授らは、安価なコバルト触媒を利用し、工程も廃棄物も減らして有用分子を合成できる技術を開発しました。
医薬品合成では、原料の目的位置の炭素-水素結合だけを触媒の作用でうまく活性化し、有用分子に化学変換する方法が有効です。ロジウム触媒は、希少で高価ではあるものの、優れた触媒性能を持つため産業に利用されています。しかし炭素源となる化学薬品のアリル基と呼ばれる炭素パーツを含むアリルアルコールは、そのままではロジウム触媒とうまく反応しません。そのため、アリルアルコールにあらかじめ活性化処理を施す工程が必要不可欠でしたが、それに伴って廃棄物も多くなることが課題でした。
 本研究では、コバルト触媒の酸素と結合しやすい性質を応用することで、アリルアルコールを活性化処理することなく、そのままで利用することに成功しました。アリルアルコールをそのまま利用することで余計な工程が減らせ、廃棄物が削減されます。さらに、医薬品合成に有用な炭素パーツであるアリル基を原料の目的位置へ導入する反応でも、水しか排出されません。
 本研究で開発されたコバルト触媒技術は、ロジウム触媒よりも安価である点、アリルアルコールの活性化処理が不要なため工程数を削減できる点、水しか出さずに有用分子を合成できる点で従来法よりも優れています。環境負荷の低減やコストの削減につながり、持続可能な医薬品製造プロセス構築に貢献すると期待されます。
 本研究成果はドイツ化学会誌「Angewadnte Chemie International Edition」のオンライン版で近日中に公開されます。

プレスリリースの全文はこちらをご覧下さい。

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